freee株式会社が「freee許認可」サービスをスタート予定!影響は? 

freee株式会社が「freee登記」と「freee許認可」サービスを開始するとプレリリースされました。

日本初、軽貨物営業届に対応した「freee許認可」10月上旬提供開始

「freee登記」 については、司法書士の分野ですので、ここでは行政書士の分野である「freee許認可」 について行政書士開業歴10年目の行政書士目線から、その内容および影響について解説したいと思います。

1,そもそもfreee株式会社って主に何をやっている会社?

freee株式会社については、知っている人も多いとは思いますが、ウィキペディアによれば、
「小企業を初めとした法人・個人事業主向けの、事務管理(バックオフィス)を効率化するためのクラウドサービス(「会計freee」、「人事労務freee」など)を開発、運営する企業」です。

安価で会計サービス・税務サービス等を提供しているネット関連企業というイメージが強いのではないでしょうか。

似たようなサービスに「マネーフォワード」や「弥生会計」があります。

2, 「freee許認可」とはどのようなサービスか?

上記、プレリリースによると、許認可申請をオンラインで完結させるサービスのようです。
第一弾ととして2022年10月上旬に 軽貨物営業届に対応を開始し、今後は2022年年末までに古物商営業許可、2023年春頃に飲食店営業許可 ・建設業許可への対応を予定しているとのことです。

しかも、このサービスを、オンライン上かつ無料で提供するとのことです。

3,行政書士目線で、「freee許認可」 について分析

①サービスの目的の分析

freee株式会社が、「freee許認可」 を無料に提供する目的は何でしょうか。
結論としては、有料サービスである「会計freee」につなげるためのドアノックサービスでしょう。
無料サービスの裏には、企業の目的が必ずあります。

とはいえ、無料サービスだけ使うこともできるようですので、これだけ使うのなら、デメリットはないと思います。

②サービスの内容の分析

現時点では分かっていることから判断すると、許認可を取得しようという事業者の立場に立った場合、悪いサービスではないが、あまり有用なサービス内容とも思えません。

なぜなら、許認可において、申請書の作成自体は、多くの場合、そこまで難しくはないからです。

難しいのは、許認可の要件を満たしているかの実態判断および個別具体的なケースでの必要書類の取捨選択です。
そして、 許認可を取得しようという事業者が、許認可取得を行政書士等に依頼するのは、許認可要件を満たしていない場合、どうすれば満たせるようにできるかの提案力を期待してとのことと思われます。

サービスの全容がまだリリースされていなので、はっきりとは申し上げられませんが、上記問題を解決するようなシステムを作り上げることができるかどうかが 「freee許認可」 が普及するかのポイントになるでしょう。

この点は、 freee株式会社もおそらく分かっているらしく、今回サービスをスタートする予定の「軽貨物営業届」「古物商営業許可申請」「飲食店営業許可申請」は、許認可の要件判断がそこまで難しいものではないため、比較的取り組みやすい許認可から始めたのだと思います。

ただし、「建設業許可申請」については、要件判断や書類の取捨選択が難しい許認可のため、果たしてどんな内容になるのか、いち行政書士として、具体的内容が気になるところではあります。

ちなみに、当事務所の専門の一つである「風俗営業許可申請」は、店舗現地での測量及び図面作成が必須のため、さすがに、 「freee許認可」 で対応できることは、当面ないと思われます。

③「許認可申請をオンラインで完結させる」というのは現状、ほぼ不可能

プレリリースに、 「許認可申請をオンラインで完結させる」 とありますが、現状ではこれはほぼ不可能です。

ここでいうオンライン完結とは、「freee許認可」 のオンライン上でのシステム欄に必要項目を入力すると、申請書類が印刷できるようになるに過ぎないでしょう。

なぜなら、現状において、許認可申請の多くは、未だに「窓口申請」「郵送申請」が大半だからです。
(よって、印刷した書類を申請窓口に持参するか、郵送申請する必要があります)

例えば、東京都において、「飲食店営業許可申請」を行う場合、
オンライン申請は始まってはいるのですが、図面の提出と手数料の支払いのため、結局保健所窓口に出向く必要があります。

また、「古物営業許可申請」は現状窓口申請(警察署の生活安全課防犯係等)のみになります。
「軽貨物営業届」も、現状窓口申請(管轄運輸支局)になります。

4,(最後に)気になる方は 「freee許認可」を 試してみよう!

事業を始めようという方にとって、最初にかかる費用は1円でも安く抑えたいというのは当然な気持ちです。

今回ご紹介した「freee許認可」 は無料なため、気になる方は、一度は試してみてもよいでしょう。

ただし、 さきほど説明した通り、要件の判断や添付書類など間違いなどにより、結局1回の申請でうまくいかず時間ばかりがとられてしまう可能性もあります。

一日でも早く営業許可を取得したいとお考えの方は、行政書士にぜひお任せください! 
費用はかかりますが、事業を始める方にとって、お金以上に重要な「時間」の節約が可能です!
浮いた貴重な「時間」を、費用以上に重要な「売上」を作ることに使ってください!

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(電話での相談は無料です。)

<参考>下記は弊事務所の解説記事になります。

古物商(古物営業)許可申請について

新宿区でバーを開業する場合の注意点(飲食店営業許可申請についても解説)

<参考>下記は、東京運輸支局にリンクします。

軽貨物の手続方法について(軽貨物自動車運送事業)